その日は蒸し暑い夜だった。金曜日、仕事を終えて、子供たちを迎えにいって、夕食
を食べさせて、風呂に入れたあと俺は車上の人となった。夜8時過ぎ。
19歳からバイクに乗り始めて16年かかって達成しようとしている日本一周(別に目指
していたわけではないが)、残す地域は山陰地方のみ。いざ出発!

東名高速は事故渋滞ですり抜けに忙しかったが、事故現場を通り過ぎれば逆にがらが
らの道になった。やはりバイクは便利だ。
京都に入ると突然の豪雨。P.Aで着替える。まっ、いつものことさ。しかし、今回の
ツーリングで雨はこれだけだった。
吹田JCTのあたりでちょっと休憩。轍に水がたまっていてハンドルは取られるは、後
からトラックが猛スピードで追い越していくは眠いはでちょっと疲れた。

米子インターに到着。朝8時くらい。右手に大山が見える。ここまでで約1,000
km、結構疲れる。気を取り直して出発。目指すは出雲大社。
出雲市に入る途中で「ヨモツヒラサカ」なるものをチラッと見る。どうやらあの世に
続いているらしい。
出雲大社は人出も少なく、ひっそりとしていた。あまりの暑さに名物出雲そばは食せ
ず仕舞。
近所のキャンプ場宿泊。宍道湖が一望できるいい眺めだったが地面からの熱気がすご
い。

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翌日は一路砂丘へ、山陰道をひた走る。
砂丘に着く。林を抜けて海岸近くに行くと突然目の前に砂丘が広がる。といっても大
きな砂の山があるだけ。しかしこれが人間の遠近感を狂わせるほどの大きさ。海岸に
向かって一旦下り坂を降りてそれから砂丘に登っていくのだけれど、これが結構歩
く。林の切れ目からだと砂丘の上にいる人間はすげー小さいのだ。
今回のメインテーマは「夕日と砂丘」。子供がいる人は分かるかな?「こんとあき」
という絵本があるんだけど、その舞台が砂丘で、その1シーンで夕暮れの砂丘の絵が
あるんだ。子供に読んであげていたときにその絵を見て感動してどうしても実物が見
たくなったので来てみたというわけだ。
俺のことだから、天気が心配だったけどその日はとても良い天気だった。その日は近
所でキャンプ。

   砂丘ギャラリー
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再び路上の人となる。
砂が浮いている道路を東進する。昔は「鳥取には娘を嫁に出すな」といわれていたら
しい。砂地のため畑への水撒きが重労働だからだ。でも今ではそこらじゅうにスプリ
ンクラーがあってじゃんじゃん水を撒いている。
やがて砂浜はなくなり急峻な崖づたいの道になる。目標は城崎温泉。志賀直哉の「城
崎にて」の舞台となった街だ。途中、あの有名な「余部鉄橋」を仰ぎ見ながら走る。
城崎の街は小さな温泉街で、雰囲気がいい。温泉につかる。でもいかんせんこの町ア
クセスが悪すぎるな。
駅前の定食屋で昼飯を食べた。店のおばちゃんがヒマなのか珍しいのか話し掛けてく
るのでしばらく世間話をする。

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さて、出発。次の目標は丹後半島。
丹後半島は山陰地方と北陸地方の中間くらいに位置するまあるい半島だ。何もないの
だがとにかく景色がきれい!俺が今までに走った道で文句なくNO.1のきれいさだ!本
当に来て良かった。夕日の砂丘といい、青空の丹後半島といい、やっぱつーりんぐは
晴れてなくっちゃ(じゃあ、いつもの俺じゃ駄目じゃん)

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丹後半島を過ぎて、若狭湾に入り敦賀あたりから帰ろうと思っていたら、な、な、な
んと「天橋立」が途中にあるではないか!全然気づかなかった。まったく、下調べく
らいしておけってんだ。しかし、それらしいところについても何もない。と、思った
らいつの間のか通り過ぎていた。入り口がわかんねえ〜!
天橋立は日本三景だけあってさすがに風光明媚だった。これも天気のおかげ!?リフ
トに乗って展望台から観光する。

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その後若狭湾に入る。舞鶴では米軍と自衛隊のイージス艦の一般公開をやっていたの
で休憩がてら見学する。三方五湖のあたりで野宿しようと思っていたけれどあまりの
暑さにYHに泊まることにする。弱い?だって暑かったんだもの。そこで大阪から来
たライダー二人と雑談するうちに夜も更けたので寝る。

翌日はもんじゅをちょこっと見て、高速へ。帰りの途中で動研によってサイドスタン
ドキャンセラーの取り付けとオイル漏れの修理をする。そして帰宅。
あーあ、暑かった。

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