「魂の原点」
 
1986年2月28日〜3月17日 春休みツーリング
 

  【計画】 費用、日程、装備

  【費用】 フェリー代 15,800円
       食費 一日約1,000円
       ガソリン代 1,500円  ×14日=42,000円
       宿泊費 なし

  【日程】 2月28日PM6:00東京発→3月2日小倉着AM6:00
       以下予定
       北九州→中津→青の洞門→やまなみハイウェイ→草千里→高千穂→
            延岡→宮崎→佐多岬→桜島→鹿児島→指宿→宇土→天草→口之津→
            雲仙→有明→北九州

  【装備】 ライト、ポリタンク、カメラ、三脚、ビニールテープ、免許証、保険証、
            保険書、ノート、雨具、トイレットペーパー、洗面用具、医療品、ビニ
            ール袋、タオル、ティッシュ、空気入れ、パンク修理剤、グランドシート、
            テント、シュラフ、地図、通帳、印鑑、現金、学生証、学割証明証、ロ
            ープ、ナイフ、下着、着替え、コンロ、ボンベ、ガイドブック、使い捨
            てカイロ、アドレスノート、ビニール袋、シャンプー
  
 
 

3月2日(日) 第一日目 水戸→東京→フェリー フェリー内泊 走行距離 140km
高速料500円 パン代500円 昼食代750円 計1,750円
 
当初の予定より二日遅れての出発である。本当の出発日は2月28日だったのである 
が何とその日は朝から雪が降ってしまい3月2日に延期したというわけだ。とにかく 
出発。とにかく九州へ。今はそれしか頭にない。しかし遅れたことでラッキーなこと 
もあった。当初ひとつしかなかった宿泊拠点(藤田家)が新たに二つ増えてしまっ    
た。(三木家、亀井家)                            
しかしこのフェリーという奴はなれていないせいかゆれと振動で気持ち悪くなる。俗 
にいう船酔いである。そんなにひどいわけではないがあまりよい気分ではない。まあ、
明日になれば慣れるだろう。というわけで洋上での夜はふけていくのであった。    
 
 
 
 
 
3月3日(月) 晴れ 第2日目 フェリー 走行距離0km
ジュース代300円 夜倉代750円 計1,050円
  
今日は天気は上々。昼過ぎに徳島に着く。とにかく一日中何もすることがない。ごろ
ごろするだけだ。徳島を過ぎると乗客の数が急に少なくなった。その中で二人と親し
くなった。一人は東京の人、もう一人は福岡の人だったので九州の有益な情報を仕入
れることが出来た。話によると阿蘇のあたりはまだすごく寒いそうだ。      
明日は上陸。さてどのくらい走るかな。                                    
 
3月4日(火) 晴れ 第4日目 小倉→青の洞門→阿蘇→高千穂峡 高千穂駅泊 
走行距離253km(九州に着いた時点で0kmにする)
夕食750円 ガソリン920円+840円 お土産700円 昼食400円
 道路料900円 計4,510円
 
上陸1日目。快晴。AM6:30に小倉を出て快調にとばす。しかし風はまだ冷た
い、ものすごく冷たい。早く南に行こう。昨日までは雪が降っていたそうだ。阿蘇の
ガイドさんが言っていた。ラッキー!ついてる。向こうの出発が2日遅れたのが幸い
したようだ。全く運というものははかりがたい。                             
 
阿蘇は硫黄のにおいで空に立ち上る水蒸気が印象的だ。そして?(判読不明)をうつ
すとそれとは逆に静かなたたずまいもあった。                               
 
 
高千穂峡はいがいにこじんまりしたところだった。もっと大きいのかと思った。夜、
泊まる場所がなかなか決まらなかった。神社を見つけても誰かがきて使うようだった
ので立ち退かざるを得なかった。そんなわけで結局泊まる羽目になったのが俺のもっ
とも苦手とする駅である。何故なら駅は誰でも無防備の(つまりねむっている)俺に
近づくことができるからだ。とくにテントだと周囲が見えないから物に恐ろしい。今
夜は今までのツーリングの中で一番恐ろしい夜だ。                           
 
 
 
 
3月5日(水) 晴れ 第5日目 高千穂→天岩戸→延岡→宮崎→都井岬 都井岬泊 積算距離515km
ガソリン1110円 昼食 400円 夕食 500円 コーヒー300円 
道路料 200円 計2,510円
 
上陸2日目。朝6時起床。空にはまだ月が出ていた。高千穂の朝は寒い。夜中と明け
方に寒さともうひとつの”物音”で目をさましてしまった。少し寝不足気味だが気力
は十分に補給した。早速出発AM7:00。まず近くにある天の岩戸神社なるものを
みに行った。峡をはさんで二つに分かれている神社だがたいしたことはないみたい。
 
 
パンとコーヒーの朝食をとって出発。延岡まで五ヶ瀬川に沿っておりていった。だん
だん川幅が広くなり流れがゆるやかになっていくながめをみながらのライディングは
楽しい。それに陽がのぼるとそれほど寒さは感じられなかった。海岸線に出たらあと
はひたすら南下するのみである。数時間後宮崎につく。以外に大きな街だ。それに女
の子もかわいい娘が多い。かわいい娘たちが少しなまりのある会話をしているのをき
くのはたのしい。又、宮崎のあたりになるとかなり暖かくなってきている。北九州の
 
 
ときがうそのようだ。宮崎大の寮に止めてもらおうと思ったが断られてしまった。と
いうわけで当初計画にはまったくなかった。そしてぼくも来る気は毛頭なかった都井
岬に今いる。何故かわからないのだが途中頭に都井岬がこびりついてしまい、気がつ
いた時には遅かったのだ。それに今ぼくがいるところは野生の馬が放されているとこ
ろでおまけに猿も出るという。何か今回のツーリングは泊まるところについてない。
 
  
 
P.S1、宮崎市街から抜ける手前の橋のあたりは以前そっくりの景色を夢でみたこ とがある。
   2、宮崎の近くにはどうしてたこ焼き屋ばかりあるのだろう。            
   3、行程消化が早すぎる。これでは一週間かけようと思っていたところが4,5日で終ってしまう
   
 
3月6日(木) 晴れ 第6日目 都井岬→東大ロケットセンター→佐多岬→桜島→
鹿児島 鹿児島大学生寮泊 積算距離850km
道路料200円+100円 朝食400円 夕食500円 ジュース70円 宿泊費
200円 計1,470円
 
上陸3日目、昨日から今朝にかけてねむれない。外で暴走族の集会はあるは猿はけん
かするはでうるさかった。朝、支度をしていると馬がやってきた。こいつが荷物を食
おうとするので追っ払ったら逃げていった。午前中はロケットセンターを見学してき
 
 
たがあいにく資料館が休館日だった。惜しいことをした。そこから佐多岬までの道で
迷ってしまい、それでもわけのわからぬ道をぶっ飛ばしていった。なかなかきれいな
ところだ。そこからは一路桜島。でも桜島ってすごいところだ。とにかく灰がすご
い。ぼくは観光客だからいいけど地元の人は大変だなあ。そこからフェリーで鹿児島
の鹿大のへ泊まる。ものすごくきれいなところだ。新規寮らしいがとにかく水哉寮な
どとは比べものにならないほどきれいだ。ああ、眠くなってきた・・・。
 
 
  
 
 
 
3月7日(金) 晴れ 第7日目 鹿児島→指宿→宇土 宇土運動公園泊 積算距離 1140km
ガス910円+1130円 朝食400円 昼食500円 夜食700円 計3,730円
 
鹿児島から指宿へ。鹿児島で「ん〜べ」という喫茶店でうまいコーヒーを飲み、朝食を
とる。指宿はあまり見るところがない。そのまま北上しようとしたが夕暮れまでには天
草へは行けないと言われた。それでもがんばって走って宇土というところまで来た。そ
こで泊まる。近くでサッカーをしていた兄弟としばらく話をしてから寝る。9時就寝。
 
 
 
 
 
3月8日(土) 晴れ 第8日目 宇土→天草→雲仙→長崎 長崎なんたら会館泊 
積算距離1,334km
フェリー代1,750円 反則金5,000円 昼食400円 お土産450円 
バッテリー液150円 計7,800円
 
今日は最低の一日だった。こんなについてない日があってよいのだろうか。まず朝宇
土を出発して10kmと走らないうちにマシントラブル。エンジンがバックファイ
ヤーを起こしてしまった。調べてみたらバッテリーの接点が外れていて、おまけに液
が少なくなっていて過充電になっていた。次に雲仙に渡って走っていたら白バイに捕
まってしまった。5,000円の出費。バカヤロー!まだ続きがある。長崎に来たも
のの何も見るところがない。混雑した街中を引きずりまわされた。泊まれるような場
所がまったく見当たらない。半日の苦労の末やっと今いる場所を見つけた。さて、テ
ントを張ろうとすると・・・、ない!フライシートがないのである。今朝の運動公園
に忘れてきたとしか思えない。ガチョーン、買ったばかりなのにー。まだある、平和
公園で座って休んでいてヘルメットをかたわらに置いたらゴロゴロ、ガシャーンとな
る。思わず笑った。タイヤもつるつるだし。さて総出費はいくらになることやら。
 
 
 
 
3月9日(日) 晴れ 第9日目 長崎→佐賀→飯塚→小倉 藤田家泊 積算距離 1,583km
ガス1,350円 朝食400円 お土産700円+250円
 
朝3時半ごろ長崎を出発する。今日はそのまま一直線に小倉を目指すつもりだった。
少し早く出すぎたかな、と思いつつ走っているとふとあることを思い出した。そう   
だ、昨日はガスを入れていない。ということはタンクの中はほとんど空の状態だ。思
わず背筋が寒くなった。こんなところでガス欠になったってスタンドなんかあるわけ
ない。ちょうど有明海に沿って走っていたが、寒いし周りに動くものが何もない。た
だ自分だけがひたすら走りつづけている。あのときほど夜明けを恋しく思ったことは
ない。                                                               
だが、どうやら予定より先行しているようだ。そこでコースを少し外れて大宰府天満
宮に寄った。やはり観光客が多い。昼過ぎに藤田家に到着する。                 
 
 
 
3月10日(月) 晴れ 第10日目 小倉→松山 フェリー泊 積算距離1,583km
フェリー代4,980円 ガス880円
 
今日は藤田と一緒に映画を見に行った。北斗の拳である。小倉の繁華街はなかなかお
もしろかった。というわけで今日はうだうだする。PM10:00のフェリーで松山
へ。ところで藤田家では大歓迎された。三食付だ、感謝。            
 
 
 
 
3月11日(火) 雨のちくもり 第11日目 松山→高知 高知大学南瞑寮泊 積算距離1,776km
コーヒー100円+100円 宿泊費300円 夕食450円 ビール220円 計1,120円
  
AM5:00松山着。なーんと雨が降っている。仕方がないので8時までフェリー待
合室で休む。しかしいっかな止む気配がない、仕方なく出発。国道33号線を一路高
知へ。だがやはり雨はつらい。寒いし疲れるし、バイクも体も泥だらけである。山間
部はかすみがかかっていた。先日有明海沿岸を走っていたときはあたりは真っ黒だっ
たが、今日は真っ白だ。何なんだ一体。                                   
南瞑寮に着いてからしばし市内観光。高知城を見る。亀井さん宅にTELしたら彼は
まだ帰ってきていないとのこと。仕方ない、明日もここに泊まって闘犬でも見に行く
か。ちょうど同じ日に一緒に泊まることになった明大のサイクリストと新潟大と早大
の人と話をしたり情報交換をしたり、楽しいひと時を過ごす。PM10:00就寝。
 
 
 
3月12日(水) 晴れ 第12日目 高知連泊 積算距離1,819km
ガス730円 市内観光700円 土産250円 ジュース100円 夕食1,300円
 計3,080円
 
今日は日程合わせのため南瞑寮に連泊する。闘犬を見に行ったが全然おもしろくな
かった。かび臭い布団にくるまって寝る。                               
 
 
 
 
3月13日(木) 晴れ 第13日目 高知→室戸岬→徳島 亀井家泊 積算距離バ
イクを高知市内の亀井さんの親戚に預けたため確認忘れ
ジュース100円 土産250円 計350円
 
AM6:30起床、7:00出発。室戸岬まわりで徳島へ。路面の状態は良好。白バ
イもいない。午前中に室戸岬に着く。昼過ぎに徳島へ到着。そこで亀井さんと待ち合
わせてそのまま彼の家へ、山間の村である。そこでAM2:00まで呑んで寝た。 
 
 
 
3月14日(金) 雨 第14日目 亀井家泊 今日は一日中寝ていた。
3月15日(土) 第15日目 鳴門の渦潮を見てきた。             
3月16日(日) 第16日目 徳島→フェリー→和歌山→那智勝浦  
3月17日(月) 第17日目 那智勝浦→フェリー→東京         
 
 
 
 
本当はこれより以前に黒部渓谷ツーリングや東北一周ツーリングなどがあるのだが先   
日、九州ツーリングのネガと大学時代につけていた日記兼ツーリング日誌が出てきた   
ので、よい機会だからUPした。文は19歳の俺が旅の空の下、テントの中で書いた   
ものである。気恥ずかしいが掲載した。今にして思えば日記を書いていたからこそ思   
出すこともたくさんあった。当時の俺には金はなかったがそれ以外のものは全て持っ
ていたのだなと思う。しかし、写真は前半部分しか発見できなかった。            
ちなみに亀井家での日本酒三本「もう勘弁してください〜」事件と「ジェットコース
ターじゃあ!」事件はいずれもは3月13日の出来事である。今となっては懐かしい
思い出である。でも、もしかしたら他人の思い出になっていたかもしれないと思うと
「生きてて良かったなあ」とも思う今日この頃であった。                        
 
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